大判例

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東京高等裁判所 昭和26年(う)39号 判決

業務上横領罪における業務とは、人が社会生活上の地位にもとずいて、継続して行う事務であつて自ら選定したものをいい、その事務が主要な事務であると附随的な事務であるとを問わず、又自らの権限において独立に行う事務たると他人を補助して行う事務たるとを問わないものというべきであり、被告人が新潟県雇として衛生部予防課及び衛生施設課に勤務し、庶務主任を補佐して庶務兼会計の事務を担当し、薬剤D・D・T粉末及び油剤の緊急用特別配給の事務をも補助し、これに関連して、右薬剤の代金徴収をも行い、又同僚から、その受領した代金を受取り、右薬剤の代金を保管していたことは前記のとおり原判決の確定したところであるから、被告人の担当事務は業務上横領罪における業務と認めるのに何等の妨げもなく、所論のように会計法上又は地方自治法上の出納員又は出納官吏でなければ現金出納の業務に従事するものといえないものと解することはできない。又雇員にして上司を補佐するに過ぎない雇は業務上横領罪の主体たり得ないとの所論も独自の見解に過ぎない。

従つて被告人について業務上横領罪を以て処断した原判決には所論の法令適用の誤はない。論旨は理由がない。

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